●税理士法第3条(税理士の資格)
次の各号の一に該当する者は、税理士となる資格を有する。ただし、第1号又は第2号に該当する者については、租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して2年以上あることを必要とする。
- 税理士試験に合格した者
- 第6条に定める試験科目の全部について、第7条又は第8条の規定により税理士試験を免除された者
- 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
- 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)
税理士法第3条にあるように、税理士試験に合格したものと税理士試験を免除されたものは、
租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して2年以上あることを必要ということで、
合格しただけ、または免除されただけでは税理士としてすぐに仕事がはじめることは出来ません。
(弁護士と公認会計士は該当しません。)
実務経験の期間は、税理士試験の合格の時又は試験全科目の免除の決定の時の前後を問われません。
たとえば、3科目合格後、会計事務所に入り、そのまま2年が過ぎて5科目合格した場合、
実務経験2年以上の要件を満たすことになります。
税理士法第3条第1項ただし書に規定する「租税に関する事務又は会計に関する事務」とは、税務官公署における事務のほか、
その他の官公署及び会社等における税務又は会計に関する事務をいうもので、特別の判断を要しない機械的事務を除きます。
「特別の判断を要しない機械的事務」とは、簿記会計に関する知識がなくてもできる単純な事務をいい、
電子計算機を使用して行う単純な入出力事務もこれに含まれます。
「特別の判断を要しない機械的事務」に該当しないもの、つまり、実務経験に含めてよい事務は次のとおりです。
- 簿記上の取引について、簿記の原則に従い取引仕訳を行う事務
- 仕訳帳等から各勘定への転記事務
- 元帳を整理し、日計表又は月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務
- 決算手続に関する事務
- 財務諸表の作成に関する事務
- 帳簿組織を立案し、又は原始記録と帳簿記入の事項とを照合点検する事務
これらは、簿記の原則に従って会計帳簿等を記録し、その会計記録に基づいて決算を行い、
財務諸表等を作成する過程において簿記会計に関する知識を必要とするものです。
実務経験期間2年以上の計算方法は次のようなものがあります。
- 正規の雇用関係があり、原則勤務時間内における税務・会計に関する期間2年以上
- 勤務形態がアルバイト・パートでも実態に応じて従事した時間に積み上げて計算OK
- 実務経験に該当しないものがある場合、実務経験に該当する事務に該当する時間を抽出して積み上げ計算する
- 大学院在学中の勤務を実務経験とする場合は、その期間に実務経験に従事した期間を抽出して積み上げ計算する