税理士試験の難易度はどれくらいなのでしょうか。
税理士試験の特徴としては、科目合格制です。
何年もかけて5科目合格すればいいわけですから、1年で5科目受けてもいいですし、
1科目でもいいわけです。
1年に1科目ずつ受験して受かっていけばいいと考えたら、
難易度は下がる、そんなに難しくないように感じますが、実はそんなことはないです。
税理士試験の1科目それぞれが、大変なボリュームがあり、「1年に1科目ずつ受かっていこう」と
計算通りにならないことはむしろ多いでしょう。
ですので、短期合格は難しい資格試験です。
1年で一発合格と言うのはほとんどなく、5年から10年かかる試験で有名で、
長期間受験する覚悟が必要です。
短期合格、一発合格の可能性としては公認会計士の方がはるかに高いでしょう。
税理士試験をスポーツで例えるならマラソンでしょう。
世界新記録を狙わなくても、時間をかけてゴール(合格)すればいいわけです。
コツコツ一歩一歩がんばっていけば合格する試験と言われていますが、
その期間の長さ、各科目の難しさなどなどと戦わなくてはいけません。
試験の難易度というと、次のようなものがあると思います。
- 勉強内容の難しさ
- 合格することの難しさ
- 勉強し続けることの難しさ
まず、税理士試験の一つ一つの科目の内容はトップクラスに難しいです。
その内容を理解するは一朝一夕では難しいでしょう。
時間をかけてコツコツと暗記・理解していかないといけません。
次に合格する難しさですが、税理士試験は実質的に相対評価試験のようで、
上位に入っていれば難しい問題はできなくてもみんなできていないのでできなくても心配要りません。
逆にみんなできるところを落とせない、そこまでに持って行くのが大変と言うことがあります。
最後に勉強し続けることの難しさですが、税理士試験は5科目合格まで長丁場になる試験です。
受験資格がありますから、仮に大学3年の20歳あたりから挑戦して、
1年1科目合格していったとしても25歳くらいです。
これはかなりうまくいってなので、実際はこんな人は少ないでしょう。
20代の税理士は全体の1%くらいしかいません。
30代ですら1割程度です。
受験に何年も専念できる資金力があるひとは少数でしょうから、
ほとんどの方は働きながら受験をすることになります。
働きながら難しい試験を目指すモチベーションを何年も維持するのは筆舌に尽くし難いものです。
何年もかけて受験できるので根性、受かりたい気持ちがないと合格可能性は低くなります。
税理士試験はこれらすべての要素を含んでいる試験だといっても過言ではありません。
各科目の問題も高度な問題が多くかつボリュームも試験時間ですべて解けないくらいです。
必須科目の簿記論を例に出すと、勉強する範囲も広いですし、本試験に出される分量も試験時間に対して多く、 全部解こうとすると落ちると言われているくらいです。
また選択必須科目である法人税法や所得税法、このどちらかは避けては通れません。
この2科目とも試験科目中もっとも多い勉強時間を必要とします。
各科目の合格率も低い試験です。
他の難関国家試験と比較して高いと言っても10%〜15%くらいであり、
100人中10人から15人くらいしか合格しません。
●各科目の合格率等
こう見ると、税理士に合格するのも大変ですが、各科目に合格することも大変です。
「なんとか4科目まで取れたけど、最後の1科目がなかなか合格できない・・・」
ということもあります。
ですので、税理士試験の難易度はあらゆる資格試験、国家資格のなかで、
トップクラスの難易度を誇っていることは間違いないでしょう。