司法書士は登記の専門家であり、登記は司法書士の独占業務です。
(具体的には「権利登記」が独占業務)
登記には大きく不動産登記、商業登記がありますが、この登記は日々の税理士業務においてかなり密接に関わってきます。
不動産登記ですと、個人や法人のクライアントがマイホームを建てたり、資産運用目的で新築マンションを購入した場合、所有権保存登記が発生しますが、 こういうケースで登記業務ができる司法書士資格をもった税理士であればワンストップでサービスを行うことができます。
他にも不動産を売買したり、相続や事業承継で土地や建物を相続した場合には所有権移転登記、
不動産を担保に金融機関から融資を受けて抵当権を設定した場合には抵当権設置登記、
住宅ローンを完済した場合には抵当権抹消登記など、税理士のクライアントが関わりそうな不動産登記はたくさんあるでしょう。
また、商業登記の分野でも、個人事業のクライアントが法人化し、会社設立した場合には法人登記申請が必要になってきますが、 この場合にも司法書士資格があると、クライアントをたらいまわしにすることなくスムーズにサービスを提供することができます。
ほかにも、顧問になっている企業の代表取締役や取締役、監査役などの役員の変更の場合には役員変更登記が必要ですし、
会社名や定款を変えたいときにも商号変更の登記や定款変更の登記が必要です。
さらには、本店を移転したとき、合併、組織変更したとき、増資をしたとき、倒産したときなども登記が必要になってきます。
このように、登記は税理士の仕事をしていると、密接に関わってくることが多くあります。
他にも供託や裁判書類作成手続なども司法書士の仕事であり、司法書士資格を有した税理士ですと、
他の有資格者に回すことなくサービスを提供することができます。
ですが、司法書士資格を有した税理士はあまり見受けられません。
恐らく司法書士自体難関資格であり、税理士の業務を行いながら取得するにはあまりにも大変だからでしょう。
ただ、相乗効果が高い資格ですので、サービスを提供する上で最も効率的なのは、
税理士、司法書士双方が常駐している組織を作ることが一番いいかもしれません。